THE NEW JAPAN

Yoshida Hataten’s Large-Catch Flags

日向灘にたなびく大漁旗

Photography: Tetsuo Kashiwada/Words: Tomoki Nakamuta

延岡市北浦町、古江川沿いの民家の庭に天日干しされた色鮮やかな旗がたなびいている。大漁旗を手がける「吉田旗店」だ。黒潮が流れ込む豊かな漁場、日向灘に面した北浦は、宮崎県内屈指の漁師町として知られる。漁師たちは進水式の度に、航海の安全と豊漁を祈って大漁旗を新調してきた。熨斗や富士山、縁起を担ぐ図柄が華やかに旗を彩る。 この迫力ある大漁旗は、三代目の吉田儀男さんが一つひとつ手作業で作っている。下絵を描き、船名などの文字は自ら型紙を作り転写する。下絵の線にもち粉と米ぬかを混ぜた特殊な糊を丁寧に塗る。糊は染料をはじく性質を持ち、繊細な図柄を染め上げるのに不可欠な工程だ。刷毛で染料を塗った後、天日干しや水洗いを行う。早くても2日間はかかる作業。取材に訪れたこの日も、共に店を切り盛りする妻の幸子さんに手伝ってもらいながら、糊付けの作業を終えた。

明治時代終わり頃に染物屋として創業した「吉田旗店」。大正頃から漁村の需要に応えるように大漁旗を手がけ始めた。吉田さんは中学を卒業した後、延岡市内の染物店の他、福岡や大分、京都で約15年にわたって修行を積み、帰郷。この道60年以上の熟練した職人だ。 近年は大漁旗だけでなく、鯉のぼりや神社幟、飲食店の暖簾に校旗、マラソン大会の記念旗まで制作。豪快かつ繊細なデザインに魅せられ、オリジナルの大漁旗をオーダーした歌手もいる。全てに共通するのは、依頼主が旗に託した想いと、それを形にする吉田さんの確かな技だ。

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MIYAZAKI

Issue No. 3Autumn 2026

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九州の南東部に位置する「宮崎県」。全国から移住者を惹きつけるサーフィン文化や彼らが地元に根ざして立ち上げたスモールビジネスやコミュニティ、歴史ある城下町の地域デザインを取り上げます。

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